ガイガーカウンターの自作、身近なものから製作できる放射線検知器

自作ガイガーカウンター

ブログでも紹介しましたが、ガイガーカウンター特需がヒートアップしてます。
露骨な値段の吊り上げをしている、ぼったくりショップもあったり。困ったもんです^^;
現状(2011/06)では2~3万円くらいで手に入るのはほとんどが中国製です。
たまに奇跡的に3万くらいでロシア製が販売している時もあるとか。
私としては中国製はちょっと・・・やっぱり欲しいのはロシア、ウクライナ製ですかね。
米国やドイツ、日本製もありますが値段が高すぎて手が出せません。
良心的なショップで適正価格なら購入を検討したいところですけど、うーん・・・
というわけでガイガーカウンターは入手困難なので、自作でがんばってみました。
といっても、放射線に反応する程度のものです。

 

●自作したガイガーカウンターを動作させている様子

動画の放射線源のマントルにはトリウムという放射性物質が微量塗布されているので反応します。
最近はトリウム無しのマントルに置き換わりつつあるらしくコールマンやSOTOのもの等は不使用で、私はキャプテンスタッグのを使いました。
キャプテンスタッグのマントルをガイガーカウンターで測った人によると2μSv程度と、意外と強い線量が出てるそうです^^;

マントル並みの線量(1~2μSv)ほどの放射能なら敏感に反応するので、家の周りに放射能が蓄積してる場所がないかとか色々探れます。
家の周囲だと雨樋の雨水が出てくる下や側溝や升の中に放射能が高く濃縮してるらしいので調べてみようと思っています。
ま~半ば玩具みたいなものですから、お子様の夏休みの自由研究課題とかにいかがでしょう。不謹慎って怒られるかな?^^;

 

自作ガイガーカウンター

●自作ガイガーカウンターの概要
センサーは矢野・米村式GM管(YY式簡易GM管)、電源は電気コップです。
放射線検出の音源としてAMラジオを使います。
とても簡単に作ることが出来ますが、仕組みは本物のGM管とほぼ同じです。
構造はプラスチックのケースに紙(陰極)、銅線(陽極)を取り付けて、ライターのガス
(ブタンガス)を封入したものです。
動作の為に高電圧を要しますから静電気(1万ボルト位)の電気コップを使います。
仕組みは、放射線がGM管の空気に衝突して電離されると、陽極と陰極の間で放電
が起こってその時に ノイズが生じます。
そのノイズを傍に置いたAMラジオで拾ったパチッ、パチッという音で検知します。

 

 

 

 

●YY式簡易GM管の作り方

YY式簡易GM管は本来はフィルムケースを使うのですが、最近はフィルムなんて使う機会ないので代用品を使います。
私が使ったのはLG21飲むヨーグルトのミニボトルです。 内径が40mmほどあり放電管として丁度いいサイズ。
容器の径は陽極の銅線までの距離に関係するので非常に重要です。狭くても広くても放電が上手くいかないのでダメです。
まず、容器を良く洗って不純物を取り、底の部分を切り取ります。ここがGM管の検出窓となります。


次に、容器の側面、真ん中より下の方に針などで穴を開けておきます。この穴に陰極へつながるリード線が通ります。
外周の陰極として紙を使いますA4のコピー用紙など7cmくらいの幅で縦に切ったものを筒状にして使います。
紙でいいの?と思うかもしれませんが、静電気の電圧はかなり高いので、電気は紙を簡単に通りますからご心配なく。
逆に紙のように電気を通し難いものでないと上手く行かないです。

 

 

GM管の陰極 GM管の陰極部分

さきほどの紙を容器の内側に沿わせます。これがGM管の陰極側となります。
注意点として、容器の内側は汚れや手垢がついてないように綺麗にしたほうが良いです。不純物がついていると静電気がそこを
通って放電してしまいます。
容器側面にあけておいた穴にリード線を通します。線の被覆を1cmほど剥いて銅線部分を内部の紙筒に接触するように沿わせて
取り付けます。穴とリード線の隙間はプラスチック用ボンドなどで塞いでおきます。

 

次に、陽極の芯線を作ります。ボトルのキャップの中心部に穴を開けてリード線を通すようにします。
キャップの内側には発泡スチロールでリード線が中心部でグラグラしないように固定できるように台座を作り接着しておきます。

 

 

GN管の陽極を作る

次に陽極の芯線を作ります。 直径0.2mmくらいの銅線を15~17cmほどの長さで用意し、銅線の真ん中で折り曲げて、こより状に
していきます。 線を折った先にクリップなどを挟んで先端部が直径1mmくらいの円状になるようにします。
この円状に丸めた銅線の先端が重要で、放電はここで起こります。尖がった先端だと放電が起き易くなりすぎて連続放電となって
失敗につながります。
また、銅線の径も重要で細いと放電し易過ぎ、太いと放電が起き難くなります。なので直径0.2mmくらいの銅線が適しています。
0.2mmほどの銅線はコンセントの延長コードの芯線に使われているので100円ショップなどで安く入手できます。

GM間の陽極の芯線 GM管の内部

作った芯線の末端にリード線を結びつけて、キャップにリード線を通しておきます。これで陽極部分が完成です。
芯線がボトルキャップから約7~8cmの長さが出るようにしておき、リード線を通しておいた発砲スチロールの台座部分にプラスチック用
のボンドで接着してしっかりと固定します。
キャップをボトル容器に蓋をして取り付けると、芯線の先端部分が 陰極の紙筒の真ん中よりやや上にくる位置になると思います。
次に芯線が容器の中心部に来るよう偏りがないようにします。指などで芯線が中心にくるように位置を調整します。

 

仕上げにライターガス(ブタンガス)を容器の内部に3秒ほどガスを入れます。ガスに引火しないよう火元に注意してください。
ガスを入れたら素早くラップをかぶせて、ガスが漏れてこないように封をし、輪ゴムで留めておきます。
だたし、封入したガスはラップから徐々に抜けて1日くらいで無くなってしまうのであまり長持ちはしません。
最後にラップの余った部分を切り取ってYY式簡易GM管の完成です。

GM管の陰極側 GM管の陽極側

完成したGM管を電気コップに取り付けます。
紙筒につながる陰極側は電気コップの内側の静電気を貯める端子部分につなげます。
芯線につながる陽極側は電気コップの外側の接地側につなげます。注意点として、陽極側のリード線は電気コップに直接銅線を繋げないで
電気コードをコップに1~2周巻いただけにしておきます。直接つなげると放電が強すぎて一気に放電し切って失敗する事があります。
あと、GM管本体は地面に置くと、陰極から静電気が地面へと逃げて無くなってしまうので、プラスチックコップなど絶縁体の上に置きます。

チューニングを外したAMラジオを傍に置いて、塩ビ管をキッチンペーパーかティッシュで擦って電気コップに静電気を貯まれば作動します。

参考にした外部サイト↓
電気コップの作り方はyoutube「でんじろう先生の手作りガイガーカウンター」動画か、こちらのサイトを参照→NGKサイエンスサイト1999/2月号
米村先生のGM管についての記事はこちら→小学生にもつくれる静電気GM管 : 矢野・米村式GM管


硫酸カリ肥料に含まれる放射性カリウムの放射線を検知する様子↑
天然カリウムには0.0117%の放射性カリウム40というのが含まれているそうです。極微量の放射能にも反応するのが判りました。
反応は弱いですが検知できているので、手作りにしては感度は悪くないみたいです。
カリウムは動植物に必須な元素ので人間にも含まれ、成人男性のもつ放射能は人体当たり4000ベクレルだそうですよ~。

動作テストの線源にはマントルの他に、溶接用のトリウム入りタングステン電極棒や、お風呂にいれるラジウムボールなどがあります。
減塩やバナナはカリウムが多いので、放射性カリウムも微量含有しますが線量がわずかなので、検出は難しいと思います。

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