単一乾電池タイプの激安LEDランタンを改造 (Cree Xlamp MX3 使用)

LEDランタン改造

単一乾電池を使う激安のLEDランタンを購入したのでご紹介です。
楽○市場で激安で売っていたので思わず衝動買い。送料合わして約1000円でした。
商品仕様
電源は単一乾電池4本使用。LED12灯式で明るく省エネ。ダイヤル式明るさ調節可能。
こんな感じです。
砲弾LEDを12個なので、まぁ想像通りの明るさしかないだろうと思っていたので改造用
に購入です。電池4本式なので昇圧回路を組んでLED2灯直列で効率よくって思ってい
たんです・・・
正直、安すぎなので期待してませんでした。しかし実物は予想の斜め上を行く!


●ノーマルのLEDランタンを手にして感想

通販サイトの商品レビューにもあった通りで、作りは雑です。というか酷すぎます・・・(・_・;)
新品状態で既に傷つきまくり、メッキはムラだらけ、接着剤がはみ出して汚れてるし、ちょっと笑えるくらい酷いw
品質からして1000円でも割高に感じました。
激安LEDランタン 激安LEDランタン点灯

ビックリなのが、商品説明では単一乾電池4本使用なのが、実際の電池ボックスは単一3本しか入らないものでした・・・予想外。
説明と違うので返品しようかと思いましたが、不良品って訳じゃないし・・・なにより安っすい品なので妥協しました。

昇圧回路を入れるプランが座礁したので、どう改造しようか悩みつつ新品の乾電池を入れて点灯してみることにしました。
ダイヤルを捻っても点灯せず・・・不安になりながら調光ダイヤルを回すとMAX付近でようやく点灯。
ダイヤルの8割は無意味(真っ暗)ゾーンでした・・・ 滑らかな感じでの調光は不可能に思えます。

 

●ノーマル状態でLEDランタンを点灯してみた

激安LEDランタン点灯その2 LEDランタン点灯その3

見た瞬間お気づきかと思いますが、光が驚きの青さです。100円ショップに売ってるLEDライトも相当な青白い光をしてますが、
それを更に上回る青さ。
ダイヤルの光量最大にしても光が青いせいか薄暗く感じました。 この明かりの下で過ごすのは苦痛だと思いますね・・・。

最大時での照度を測定してみると、光源から50cm距離の照度は23ルクスでした。


明るさ調節用の半固定抵抗 半固定抵抗基盤裏

ノーマル状態では使用に耐えないので、さっそくバラバラにして改造に備えます。
調光するダイヤルの部分ですが、基板にスイッチ一体型の半固定抵抗器が一個くっついてるだけ。
半固定抵抗は1kΩでした。 なるほどこんな抵抗値高いの使ってるから、調節ダイヤルがほぼ無意味になっていたのかと納得。

LEDランタン改造_帽子LED LEDランタンの電流測定

LEDのユニット部分です。細長い基板に帽子タイプLEDが3個付いています。それを4個組み合わせた作りでした。
つづいてLEDへの電流を測定、条件は新品マンガン電池で、調節ダイヤルMAX状態での電流です。
結果、なんと576mAも流れていました。LED一個あたり48mAも突っ込んでしまってます。どうやら発光色がやたらと青いのは
電流が大きすぎて過負荷になってるせいな気がします。
因みに、商品の入ってた箱のパッケージには寿命10万時間とか謳っています・・・そんな持つわけないw
ノーマルで使用する場合は、エネループ等の1.2Vの充電式電池じゃないと、LEDが過負荷で直ぐダメになるんじゃないかな。
 

 


 

●ここからは改造記事になります。

ランタンのLEDアレイ新造 ランタン X lamp_MX-3

ノーマルで入ってるLED(帽子タイプLED12個)はちょっと明るさ的にも、色味的にもダメなので使いません。
本当は電池ボックスが単一4本式だったら、昇圧回路で6V→7.4VにしてLEDは日亜の雷神あたりを2発直列で計6個使う予定でいました。
でも乾電池3本では4.5Vなので、それを7V以上まで昇圧するのは効率的に悪化するので、諦めるしかありません。
そこで、高効率のパワーLEDを2個使う方法にしました。
2枚のアルミ板(100円の名刺入れ)に、LEDを一個づつくっ付けて配線します。アルミ板は放熱板として、反射板としての役目もあります。

 

 

Cree_Xlamp 固まる放熱用シリコーン

使うLEDはCree製のXlamp MX-3という奴です。以前に自作ライトで使ったLEDと同じシリーズのものです。
スペック:Vf_3.7V、If_350mA、114ルーメン、白色6000K 5mm角ほどのSMDです。
値段がお手頃ながら、非常に明るくて、光も綺麗な色をしているので気に入っています。
アルミ板への接着は、お馴染のサンハヤトの「固まる放熱用シリコーン」を使っています。使い易いです。手放せませんw

 

 

ランタン X lampMX3 新LEDユニット ランタン X lampMX3 新LEDユニット点灯

LEDを付けた2枚のアルミ板を背中合わせにして小型ヒートシンクをベースとして放熱用シリコーンで接着します。
この状態で点灯させると、LEDの明かりの死角になってしまう為に左右が暗いラインができてしまいます。
なので、ノーマルのリフレクターをそのまま使用しました。
ボンドがはみ出て汚れていたり、あまり出来栄えが良くないので使いたくなかったのですが・・・

 

 

LEDランタンのベース裏 LEDにリフレクターをつけて点灯

こんな感じで、ヒートシンクのベース部分をリフレクターに接着して仕込みました。
この状態で点灯させてみると、完璧にとは行かないまでも全方位に光が拡散してくれます。
試し点灯では、Cree_Xlamp一個あたり100mA、計200mAで点灯させました。
本来は1つで350mA流して114ルーメンを発揮するLEDなのですが、1/3以下の電流でもなかなか明るく点灯してくれます。

 

 


 

LED電流制限抵抗 LED調節光 半固定抵抗

電池ボックスのマイナス端子側にLEDそれぞれ毎に制限抵抗を繋げます。これでLED一個あたり約115mAに電流制限します。
調光機構をどうしようか迷ったんですが、面倒なので元々のスイッチ付き半固定抵抗1kΩをそのまま使うことにしました。
このままだと、捻っても抵抗値が高すぎてLED真っ暗ゾーンばっかりになるので、抵抗62Ωを並列に入れて、最低でも30mAほどが
流れるようにしました。30mAの電流でも部屋をうっすらと照らすくらいの照度が得られるようになっています。

 

 

●改造したLEDランタンの回路図

LEDランタン回路図

抵抗を入れるたけという単純回路です。
単一4本であれば昇圧回路など入れてもっと色々と遊べた
と思うんですが、芸のない改造になりました。
メインの制限抵抗はマイナス側にある抵抗7Ωで、各LEDに
約115mAになるようにしています。
なので、明るさ最大の時で電流は230mAです。
明るさ最小では半固定抵抗側がプラスされてLEDに最低でも
約30mAが流れるようになっています。
今回も省エネにして電池持ち優先の仕様にしました。

 

 

 

●改造LEDランタンの点灯させた様子

LEDランタン_改造 LEDランタン改造しました

点灯させると結構な明るさです。かなりパワーアップしたと思います。前に作ったミニLEDランタンと並べても明るさが上回ります。
改造に要した費用は計800円ほど。LEDランタンの値段と合わせて1800円ほどで作りました ^^
照度を測定してみると、明るさ最高(230mA)で62ルクス。明るさ50%(115mA)で30ルクス。明るさ最小(30mA)で8ルクスでした。
いずれも光源から50cmの距離での最大照度です。

アウトドア用の本格的なガスランタンだと、50cm距離で300~800ルクスもあるようですが、まぁ省エネLEDではこんなもんでしょう。
因みに、60W白熱電球から1mの距離で50~80ルクス、蝋燭から30cmで10ルクス、満月の夜道が0.2ルクスだそうです。

 
 

LEDランタン改造_点灯その3 LEDランタンの色合い比較

明るさ最大で点灯させた時の感じです。部屋の電灯は消してるのにかなり明るく部屋中を照らしてくれます。
右写真はノーマルで入っていたLEDと並べて撮ってみました。
色合いの違いがハッキリ判ると思います。際立つノーマルLEDの青さw 相当安いLEDなんでしょうね。
撮影時は電流は両方とも同じ200mAで点灯させています。

 

●電池持続時間

明るさ最大(230mA)で、単一マンガン乾電池なら約15時間ほど、アルカリなら約50時間くらいの点灯時間が見込めるかなと思います。
50%出力(115mA)だと、マンガンで約50時間ほど、アルカリなら約100時間ほど。
明るさ最小(30mA)でなら、マンガンで約250時間、アルカリで約500時間の超ロングランになります。

R20/LR20=単1形、 R14/LR14=単2形、 R6/LR6=単3形、 R03/LR03=単4形、 LR1=単5形です。

パナソニックのホームページにて公開されている乾電池のデータです。マンガンとアルカリの放電特性の表を抜粋しました。
大きい表と詳細は→パナソニック 乾電池の概要を参照。 標準特性・・・定電流連続放電(20℃±2℃)
 

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