■LED水草水槽_自作LED照明、一号機(40cm水槽)

昨今、LEDで水耕栽培をする野菜工場とか話題になっていますね。
それでLEDで植物育成に興味を持ち、思いつきで始めたLED水草水槽。
ただし私はアクアリウムは超初心者なので、とりあえずは水草を枯らさず
ちゃんと育てることが目標ですw
まずはプロトタイプとして40cm水槽用サイズの自作LED照明を造りました。
●基本スペック
本体サイズ:W 400mm×D 100mm×H 28mm 本体重量:約500g
本体材質:アルミニウム(A6063)
明るさ(最大照度):30cm直下 約5400ルクス、60cm直下 約2900ルクス
電源:12Vスイッチング式ACアダプタ。消費電力:約9.5ワット。

  
このLED照明を使った水草水槽の経過はブログにて掲載しています。
LED水草水槽ブログ→自作のLED照明で水草水槽に挑む


●使用したLED

メインのLEDは日亜化学の白色パワーLED、NS9W153MT(アルミ基板付)を4個です。
スペックは、If:350mA、Vf:10.5V、光束:350ルーメン(@350mA)、色調ランク:b4、指向角:120°
国内最大手の日亜製LEDなので色も明るさも申し分ないです。とても良いLEDですが値段もそれなりに高いです・・・(T_T)
水槽照明は長時間点灯させるので、とりあえずはコストより耐久面で信頼できる国産メーカーを選びました。
  

赤・青光の補助用のRGB-LEDは、OptoSupplyのRGB-LEDユニット(OSPR3XT5-TCXBEAC1E)。(※スペクトルはEdixeonのRGB-LEDのもの)
なぜRGB-LEDにしたのかと言うと、最初はコイツだけで白色光を再現して水草照明にしようと何とな~く考えたからなんですが
よくよく調べてるうちに、植物は赤と青の光が重要&緑色光でコケは光合成できるという情報を得て、赤・青のみ使用に切り替えました。
あと、このLEDは中国メーカー製で耐久面が信頼できないため、点灯電流を50-60%に抑えて使います。

 

● 白色LEDとRGB-LEDのスペクトルを足して重ねるとこんな感じです。 (※グラフは大雑把なイメージで正確ではありません。)

縦軸の発光強度は、使用してるLEDの出力を違えてるから
でたらめですが、こんな感じでスペクトルを補っているという
イメージだと思ってください w
光合成に重要とされる不足した赤色のスペクトルを補うための
赤LEDですが、波長が625nmの赤LEDを使ったので
効果的といわれる波長660nmの範囲を大きく外しています。
クロロフィルbの吸収波長を辛うじて補えてるとは思うので、
無駄ではないと思っていますが・・・
ただ、これで水草育成が上手くいかなかった場合は、やはり
素直に660nm赤LEDを導入するか、電球色LEDを補助に使う
しかないと思っています。

      

 

  


     

● LED照明、製作編

本体はアルミ製。アルミは熱伝導に優れ本体自体がLEDの発熱を逃がす放熱器となります。また加工し易く、軽いのも良いですね^^
アルミ材はホームセンターの資材で売られているプレートとL型アングルを組み合わせて造ります。
・フラットバー:50mm×1000mm_t3mm、10mm×1000mm_t3mm、L型アングル:25mm×25mm×1000mm t1mm。

アルミ材は熱伝導をよくするために放熱用シリコーンで接着して組み立てます。

 

こんな感じで組み立てて箱状にしていきます。
アルミ材の加工には、切断に金切鋸、バリ取りに平ヤスリ、穴あけにドリル、穴の面取りカッターが必要です。
平ヤスリとドリルは100円ショップのでも十分使えます。金切鋸と面取りカッターはホームセンターで揃います。
 

これで本体部分は完成。思ったよりもシンプルでかっこ良く出来たかも^^

  

パワーLEDを駆動する定電流ドライバモジュールです。OptoSupplyの3Wタイプ×4、1Wタイプ×2、全部で6個つかいました。
ドライバモジュールは秋月電子にて購入、値段が安いので自作には助かります。
電流は可変式に改造しています。トリマーを回して電流を調節し、LEDの明るさを調整します。詳細→LEDドラバモジュールの改造について
 

RGB-LEDユニットはそのままでは使い難いので、基板からLEDを取り外して個別にLED基板に付け直して使おうと思ったのですが、
基板から取り外すのが難しく、半田こての熱でLEDを壊しそうだったので、基板ごと切断して使いましたw
LEDはアルミ本体に直接付けです。サンハヤトの固まる放熱用シリコーンを使って接着して取り付けています。

 

白色LEDには集光レンズを取り付けます。LEDの光が無駄に拡散しないように集光して効率良く光量を稼ぐ重要部分です。
レンズはパワーLED用レンズOSOLRA2045Mと言う奴で、指向角45°程度の広角のタイプ。
青・赤LEDにもレンズを付ける予定でしたが、付けて点灯したら赤と青の色影が出て見栄え悪い為、無しにしました。
スイッチは各LEDに1つあり、単独で点灯させたりと色々遊べます・・・あまり意味はありませんw
      

LEDの配線作業を終えるとこんな感じです。 あとはLEDの点灯出力を調整してから表にカバーをして完成です。
カバーは水槽からの湿気でLEDの劣化・故障を防ぐ為に必須です。 カバーの素材はアクリサンデーの硬質塩ビシート0.5mm厚。
照明の電源は12VのスイッチングACアダプタ(出力3.8A)で容量は余裕たっぷり。秋月電子にて購入しました。

  

試し点灯した様子。この時の出力は未調整だからでたらめです。たぶんLEDに約200~250mAを流していたと思います。

この時の明るさ、30cm距離直下の最大照度は7200ルクス。(※照度計レンジ:×10)
これだと明る過ぎ、あと赤・青LEDの出力があり過ぎて光の色が紫っぽくなってダメダメ。ドライバモジュールで調整します。

 

あれこれと調整して30cm距離直下:約5400ルクス、60cm直下:約2900ルクス、明るさは少し控えめです。コケが怖いから・・・
この時の出力設定で、消費電力は約8.5ワット。 スイッチング式ACアダプタの効率を90%として総消費電力は約9.5Wです。

   

完成品です!内側が見えちゃうとゴチャっとしていてアレレって感じですが、内側は設置してしまえば見えないので大丈夫。
自作費用の総額は約\7900でした。想定より高くつきました・・・う~ん、LEDはもっと安い奴でもよかったかなぁ。
製作予算内訳、アルミ材一式:\1200、白色パワーLED:\2060、RGB-LED:\1400、LEDドライバモジュール:\840、
その他の部品:\700、ネジ等:\250、スイッチング式ACアダプタ:\1400、(このACアダプタは空冷ファンや別のLED照明へも使用予定)
  

水槽にセットしてみるとこんな感じ。水槽はW40×D30×H43(cm)。 
照明は水槽から10cmちょっと上にセットして水槽上をオープンにしたので、LEDから底床まではおよそ50cm距離くらいです。

本体の取り付けは壁に設置したワイヤーネットにロックタイで固定しています、取り付き金物は余ったL型アングルで作りました。

      

 

  


     

●LED照明での水草生育の記録 (1日目~11週間まで)

LED水草水槽の生育記録

このように自作LED照明を使って、とりあえずはちゃんと水草を育成することが出来ました ^^

    

それぞれのLEDには各々をスイッチでON/OFFできるので、単独で点灯させたり不要なものは消灯させる事ができます。
下の写真は、LEDの点灯の組み合わせによる明かりの感じです(左:LED光源、中央:水草水槽、右:花の苗)

白色LEDだけ単独で点灯させた場合の様子です。サッパリしてて少し寒々しい感じで全体的に色彩が低いです。
赤系成分が弱いので、赤い物は鮮やかさがなくなり少しくすんで見えてしまいます。
   

白色LED+赤色LED(625nm)です。白色LEDに不足している赤色を補っている状態です。赤い物も鮮やかに見えるようになります。
     

白色LED+赤色LED(625nm)+青色LED(470nm)です。全部のLEDを点灯させた状態になります。この状態が水草水槽での通常運用。   
  

●おまけ

赤色LED(625nm)単独で点灯させた状態。
  

青色LED(470nm)単独で点灯させた状態。

     

赤色+青色を点灯させた状態。
あくまでも白色LEDの補助用に作ったので単独では光量不足で水草育成は出来ませんが、LED水耕栽培工場はこんな感じですよね。
光合成に重要な赤LEDの出力を大きく設定してる為、色調は赤紫になってます。
  
この水草育成LED照明での水草育成記録→自作のLED照明で水草水槽に挑む
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