●リチウムポリマー電池とは?リポの以前は液体電解質を利用しており、これが一般的にデジカメや 携帯電話の電池などで使用されているリチウムイオン電池です。 電解質を液体からゲル状のポリマーに変えたものがリポです。 これによって小型で軽量になりました。電池としてはリチウムポリマーは、 リチウムイオンの派生型で、充電方法なども変わりません。 また、単セルの電圧が高く、高容量で、軽量とR/C飛行機にぴったり。
リポの知識と安全に使う意識があれば、リスクは回避できます。 それさえ踏まえて使用すれば、リポは素晴らしい電池だと思います。
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●何でそんなに発火し易いのか。リポは、電解質に可燃性の高い電解液を使用しています。 この液体は漏れると甘い香りがするらしいですが、嗅いだ事は無いです。 こいつがショートしたり過充電で内部が高温、化学反応などで可燃ガスに なって溜まり、パンパンに膨れて来るワケです。 あとは、点火してしまえば爆発的に燃焼して燃え尽きるみたいです。
←リポの単セル。 パッケージはラミネートしただけですね。 軽量ですが強度が少ないので衝撃や 尖った所へぶつけるのはマズイです。
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●どうすると発火してしまうのか。①誤った充電器を使うと、過充電で過激に燃える。 ニッカドやニッケル水素用の充電器では、リポがフルチャージになっても 充電が止まらず、過充電になってほぼ確実に発火に至るようです。
②ショートして急激な放電で加熱し燃える。 電極をショートさせるのは、どんな電池であろうと危険ですが、 リポは過放電でも膨れて、予期せぬショートを引き起こす事が在る ようです。 また、パッケージが柔らかいラミネートなので、衝撃で容易に破損します。 内部でショート状態になり、これをそのまま放って置くと加熱し膨れて 発火に至るみたいです。強い衝撃を加えたリポは要観察ですね。
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③充電の際に、急速充電しようと高い充電電流を掛けて発火する。 リポは通常1C以下の電流で充電しないと危険です。 一部のリポには1C以上での充電が可能と謳われるモノもあるようですが 1Cでの充電が最も安全だと思います。
④過放電で使えない状態になったリポを使おうとしての無理な充電。 リポは単セルあたり3V未満(2.8V)になるまで放電してしまうと、 内部が劣化してショート状態になるらしいです。 これを充電するのは危険です。 フライトした後、リポを繋いだまま放置すると過放電になるので、注意 して下さい。アンプへ繋がってるだけで微量電流が流れ続けるからです。 飛ばし終わったらリポは外しましょう。 |
●リポの発火映像→扱いを誤って発火した場合、どれだけの威力なのかは実際見な いと、危険性の実感が湧かないと思うので観てみて下さい。
過大な電流を流して過充電状態にして意図的に発火させた 場合の威力たるや凄まじいですね。 家で充電中や保管中にこうなったら・・・確実に火災になるでしょう。 噴出す炎は爆発に近いですね。
たぶんですが、容量が大きなリポほど、電解液も多く含んでるし 蓄えているエネルギーも大きいので発火したら被害も大きいはず。 なので私は、保管する際はなるべくフルチャージで保管せず、 5~6割程度放電してMAXじゃない状態で保管するように しています。 リポは自己放電を殆どしませんが、ギリギリの電力のままで 放置すると自己放電で過放電になる可能性があるので、放電 状態で長期放置するのは危険だと思います。 とてもデリケートな電池のように感じたと思いますが、正しく使えば 恐れる事はないです。 でも、ちょっと神経質になるくらいが良いのかも知れませんw
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↑充電風景。 Hyperion EOS 5iDPに EOS LBA10バランスアダプターを使ってます。 親電源は、以前はPC用電源でしたが、今はジャンク品の12V2Aの 電源アダプタを使っています。 充電装置一式が入ってる箱はジュラルミンケースです。 発火したら役に立たないかもしれませんが・・・
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●充電する方法。充電機はリチウムポリマーが充電できる機能のあるものを使います。 リチウムポリマー電池専用のものもあります。 安いものであれば、1セルから3セルまでの充電しかできませんが、 小型の動機なら十分と感じています。
私的には3セル以上で運用するならバランス充電を勧めます。 バランス充電なしで充電を繰り返せば、だんだんセルの電圧にバラつき が出てきます。その場合、特定のセルに負荷がかかる様になり最悪の 場合は、膨れて使用できなくなるかもしれません。 バランス充電にはバランス付き充電器かバランサーを使います。
まず充電するときは傍を離れずに、異常を察知できる所に居る事、 万一、膨らんで来たとき発火前に対処するためです。 燃えやすいものが無い所で、念の為できれば不燃容器に電池を 入れて充電を始めた方がいいです。 充電電流の設定は、1C以下で行います。つまり電池の容量以下の 電流をかけて充電すると言うことになります。 1Cで充電すれば、充電時間は通常60分以上で、70~80分くらい で完了すると思います。 時間がかかり過ぎる場合は、電池の異常を疑ったほうがいいです。
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●電池の保管。 電気が残ってる状態のリポは、発火の危険が大きい火気・・・ いや、爆弾のような意識をもったほうがいいかもです。 寝てる間や外出中に発火という最悪の事態を想定して おきましょう。。 私の場合、ますコネクターが、どこか金属に接触してショートに ならないように、マスキングテープで巻いて置きます。
あとは、上の充電器の入ってるジュラルミンケースの中の青い箱、 これは金属製の重厚なもので、コレにリポを普段入れて、更に ジュラルミンケースを閉めて保管しています。
私はこんな程度の対策ですが・・・(^^;) リポの保管で、耐火金庫に入れてる人もいるらしいですよ。
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●同族のリチウムイオン電池は安全? 同じ様に可燃性の電解液を使用してるリチウムイオン電池は、 デジカメや携帯電話やノートパソコンに良く使われていますが 発火の危険性は無いんでしょうか? この写真の電池は、デジカメと携帯電話のリチウムイオンを パッケージから取り出したものです。 外装は硬い金属製で、かなり丈夫な感じがします。あとコレを 収納していたパッケージも結構丈夫で強度は高いです。
あと違うのは安全回路が、電池に内蔵されている所、 過大電流が流れないようにする回路基盤が取り付いてます。 あと電池側面の電極に温度が上昇すると電流を制限する パーツも取り付いてます。 安全対策が全然違いますネ。
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●リポの取り扱い。 「C放電とは?」 放電容量を示しています。1Cとは、その電流で1時間放電が 出来るという事です。 例えば、500mAで20C-25Cという放電能力のリポがある ならば、連続放電電流は、500×20=10000mAと なるので10Aという事です。 25Cは最大放電電流なので、500×25=12500mA なので12.5Aが短時間に流せる最大電流となります。 この場合のリポだと20C以下で使うのが妥当です。 25Cまでなら連続で耐えられると言う意味では無いと私は 考えています。たぶんハイペリオン等の一部のリポ以外で は最大電流ギリギリで使えば、寿命はあっという間に尽きる と思います。 適度な電流での利用が一番意長持ちします。
「慣らし運転。」 購入直後の新品リポは、フルチャージしても内部での化学 反応が活性状態で無いので、慣らしが要ると言われます。 チャージも1Cよりもっと低い8割くらいの電流をかけてやり 大体3Cから5C以下で3回くらい放電をしてやれば、本来 の性能を引き出せるらしいです。いきなり、最大電流位で 放電をさせると劣化が進んで、性能が低下するので注意が 要ります。
「リポを保管・使用する時の環境」 リポを保管する温度は、常温程度で涼しい所が適しています。 チャージされた状態で温度が高いところに置いている程に 劣化が進んでいきます。 夏場の車内は、非常に高温です。70℃以上の環境では リポが劣化し、膨らんでしまうらしいので車の中では 放置しないほうがいいですね。 使用する際の温度も70度を超えてはならないとされています。 フライト後ほんのり暖かいくらいが丁度いいと思います。 また低温では、内部不活性になるので冬場など低温の環境 では、性能が低下してしまいます。
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↑リポが発火しても安全な入れ物 LipoSack リポを充電・保管しててもし発火しても安全な入れ物・・・・ でも・・・煙が尋常じゃないですねぇ。火事になるよりはいいけども。 怖いのは、かなり爆発力があるんですね。発火したリポ・・・ 密閉が過ぎるとある意味危険? |
リポについての参考サイト:K&Sトピックhttp://www.ks-j.net/kands/topic/lipo/index.html 詳しくリポについて取上げているサイト:ep-plane.com :http://ep-plane.com/ |