自作LEDルームランプ、その③ (T10ウェッジ)

 

LEDルームランプの製作、その3です。 → LEDルームランプその②
電球色のルームランプを使用していたのですが、もっと白っぽいものにしたくなり、
明るさももうちょっと欲しいと思って作りました。
今回は通販サイトで安かったので衝動買いしたチップLEDを使ってみました。
LEDミドルパワータイプで十分な明るさがあります。
ただ、白色LED単色では色合いが悪くて気に食わなかったので、LED2色混合
(白色・電球色)で作り直し。
やはり、安物だと色が良くない・・・その点、日亜やCREEは素晴らしいですね。
LED2色混合にしたので、使用したLED個数が多くなって素直に日亜やCREE製を
使った方が安上がりでした ^^;
コストは割高になりましたが、仕上がりには満足しています。


●使用したLED

使用LED:SAMSUNG 5630chipLED 0.5W白色
Vf:2.9~3.0V(@50mA)、If:150mA(MAX)、光束:20.84-23.63lm(@50mA)、
指向角:120°、色調ランク:P8
サムスン製のミドルパワーチップLEDというのを試してみました。
値段も1個60円~と安かったです。
データシートを見ると、MAX150mAの電流だと、50ルーメンにもなるかなりパワーの
あるLEDのようですが、今回は40~50mAの出力で使いました。(発熱があるので)
色ランクP8は色度表のデータを見ると座標:x0.31-0.32・y0.34-0.35辺りだったので
日亜LEDの色調b4と同じくらいだと思って期待しましたが、
実際は全く程遠い色合いで、黄ばみがかった緑っぽい白色・・・微妙で独特な色。
とりあえず、明るさだけはあります。



●とりあえず、実力を確かめるべく試作品を作る

試作品ではLEDを3個を使用。
電流制限には定電流レギュレーター(CCR)。
無極性にする為、ブリッジダイオードを入れてあります。
CCRは25mAを2個並列にして50mAにしています。
電圧と自己発熱の影響で 出力は45~480mAになります。
光束が20ルーメンとして×3で、バルブ1つで60ルーメン。
バルブ2個で120ルーメンになるのでルームランプでなら
かなり明るく使えそうです。
消費電力は14.4V時で、約0.65-0.69W。

 

●製作編

まずは基板を作ります。基板は銅張積層板(生基板)をカットしてリューター回転させて丸く削り出すお馴染の方法。
チップ型のLEDは本体面積が少ない分、自己発熱を基盤面に逃がしてやらないとすぐ過熱してしまうので放熱面積は多めに。
サイズは車のルームランプユニットの内寸に合わせて直径約24mm

銅張面をリューターで削って溝を掘って回路パターンを造ります。ちょっとデザイン性に凝ってみましたw
 

    

チップLEDを配置し、半田付けして固定。これでLED部分は完成です。
お次は、電流制限のCCRを取り付ける基板を造ります。LED部分の基板にCCRも一緒に取り付けても良かったのですが、LEDの熱で
CCRの出力電流が低下してしまうとアレだなっと思って別基板にしました。

 

   

銅張面をリューターで溝を掘って回路パターンを造り、CCRを2個直列で配置。銅張面の面積はかなりあるので、CCRの自己発熱は余裕で
放熱できると思います。 基板の中央に小型ブリッジダイオード(S1ZB60)取り付け、ウェッジベースの端子にするリードを付けておきます。
あとはこれをLED基板とくっ付けてやれば基板ユニット完成です。

    

 


  

   

ブリッジダイオードの所にT-10ウェッジベースを被せてやればバルブの完成です 。その前に、試し点灯。なかなか眩しくて良好 ^^
ウェッジベースの固定にはシリコーンシーリング接着剤を使いました。
固まっても軟らかく、もしトラブルがあってウェッジベースを取り外して修理したい時でもやり直しが利きます。

 

 

完成したバルブはこんな感じです。ルームランプユニットに取り付けた状態。内部は余裕があり、もうちょっと大きくても入りそうです。  

  

  

銅張板の色がそのままではランプカバーから茶色く透けて見えてしまうので白で塗装。
  

  

試作したLEDルームランプとノーマル電球とを点灯して比べてみました。(右:ノーマル電球・左:LEDランプ)
純正電球よりはかなり明るくて光の広がりも拡散してて良い感じ。しかし色合いが・・・
写真だと判り難いのですが、今回試したこのSAMSUNGのチップLEDの発光色が黄ばんで緑がかってると言うか、くすんでると言うか・・・
微妙で気に入りません! つД`)  演色も悪いです。
 
  

両方を試作したLEDルームランプに取り替えて、車内の明るさや雰囲気をみてみました。
明るさは申し分ないレベルですが、予想していたより薄暗い感じでした。室内の雰囲気は、電球色LEDバルブから換えたので
はやり寒々しく感じますね。やっぱこの色合いは気に入らないです。 ↓ってことで失敗を踏まえて作り直します。

         

 


 

  

試作品バルブでの失敗を踏まえ、色合いの悪さを解消するために電球色タイプのLEDも混ぜ、明るさもパワーアップさせました。 

●使用したLED

使用LEDは白色と電球色の2タイプ混合です。
・SAMSUNG 5630chipLED 0.5W白色
Vf:2.9~3.0V(@50mA)、If:150mA(MAX)、光束:20.84-23.63lm(@50mA)、
指向角:120°、色調ランク:P8
・SAMSUNG 5630chipLED 0.5W電球色
Vf:2.8~2.9V(@50mA)、If:150mA(MAX)、光束:17.49-20.1lm(@50mA)、
指向角:120°、色調ランク:V6
試作で造ったバルブでは白色だけでは色合いに不満があり、特に赤色の発色が
致命的に悪いので電球色タイプのLEDを混ぜる事にしました。

電球色タイプの方は綺麗な色合いでした。黄色くもなく茶色くもなく丁度良い。



●とりあえずLED3個使って試作した回路図

白色タイプ3個と、電球色タイプ3個を使用。
電流制限には定電流レギュレーター(CCR)。
無極性にする為、ブリッジダイオードを入れてあります。
CCRは20mAと25mAを2個並列にして45mAにしています。
出力は43mA前後になります。2系統の合計86mA。
光束は白色で18-20lm、電球色タイプで15.3-17.5lm
LED6個を合わせて106ルーメン程度の見込み。
バルブ2個で212ルーメンになるのでルームランプとしては
明るさは十分過ぎるはずです 。
消費電力は14.4V時で、約1.2W。

  

  

試作の倍の6個チップLEDを搭載するので基板面積を拡大。 ランプユニットの内側いっぱいのサイズにした為、小判型になりました ^^
LEDは、白色と電球色を交互に配置。この白色LEDと電球色LEDの2色混合は、最近はコンビ二のLED照明などでも見られますね。
回路は3個直列が2系統となっています。
    

つづいて、CCRとブリッジダイオードを取り付ける基板です。あまった銅張積層板を適当に切り出したので、無駄に大きくなっちゃいました。
20mAと25mAのCCRを取り付け、2系統あるので全部で4個です。 放熱面が大きいのでCCRの自己発熱を逃がす能力は余裕ですね。

  

CCRの基板に、LED基板からLEDの発熱が伝導してこないように適当な基板の切れ端をスペーサーにして2枚を接着。  

 

接着し終わったら、LED基板とCCR基板を電線で回路を接続してやれば、基板ユニットの出来上がり。
最後に、ブリッジダイオードの入力側にリード線を半田付けして、ウェッジベースを被せればLEDバルブの完成です。
    

完成したバルブはこんな形です。 チップLEDだと省スペースなのでバルブが薄くなりますね。
試し点灯。凄く明るいですw それに良い感じで白色LEDと電球色LEDとがミックスされ、マイルドな優しい白色光になりました ^^
  

仕上げに、銅張面の茶色が透けて見えないようにシルバー色塗料で塗ります。
  

出来上がったLEDバルブをルームランプのユニット本体に取り付けた状態はこんな感じ。
ランプカバーを付けて点灯させてみると、綺麗にミックスされた白色光になって拡散してくれます。LED2色混合作戦成功です。
 

ランプカバーからLEDバルブを覗き込んで見ると、薄っすらとチップLEDが透けて見えます。
点灯させた状態を至近距離から撮影すると、白色LEDと電球色LEDが交互に配置されてるのが判ります。
 

●明るさ比較
上:白色・電球色チップLED2色混合(6チップ)、中:試作品(白色LED3チップ)、下:ノーマル純正電球

白色・電球色2色混合のチップLEDバルブは、マイルドな白さで暖か味のある色合いになっています。
明るさも抜群、バルブ1つにチップLEDを6個使っているので凄く明るいです。 照度は、シートの上で約74ルクス。

   

最初造った白色チップLED3発搭載の試作バルブです。 色調が青っぽいく緑がかったような、独特な白色をしています。
私はクール色はあまり好かないのでボツにしました。 照度はシートの上で38ルクス。

  

ドノーマル、純正電球です。 自作LEDバルブに慣れた後で、元の純正球に戻すと薄暗さと光の黄色さに驚きますね・・・。
照度はシートの上で16ルクス、暗いです・・・。
   

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