●今回の改造で使用するLED
1.2Wクラス 照明用白色パワーLED
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NS3W183T(アルミ基板付き)、選んだ理由は特になく・・・LED通販ショップのオーディオQさんにて特価で売ってたので、思わず
衝動買いしてしまった品というだけです ^^; 色温度4600~5600と低めなので、色合いは暖かい感じの白色光です。
●改造スタート
パワーLEDは発熱が強いので、アルミボディの方に上手く放熱させる必要があります。そこで熱伝導のいい銅張板を使う事にしました。
銅張積層板を内側の直径に合わせて円形に削り出し。 あと、使った銅張積層板はt=1.6mmでかなり厚みがあり、 |
集光レンズも入れます。集光せずとも広範囲を照らす照明として使えますが、フラッシュライトとしては遠方も照らせないとねぇ。
元の3LEDランチャーライトにはまともなリフレクーがありません。なのでパワーLED用の集光レンズを仕込みます。
使ったレンズは、エルパラさんにて購入した「Edixeon オプティカルレンズ」の25°タイプ。
このレンズ、直径が少々大きめなものの平べったくてレンズ高が低いので、スペース的にドンピシャで収まりました。
ただ、日亜NS3W183T用じゃないので、レンズに合うようにLEDの四隅を少し削り落としています。
LED基板を丸く削り出した銅張積層板に貼りつけ。接着にはsunhayatoの「固まる放熱用シリコーン」を使いました。
銅張板だけでは熱をアルミボディに逃がすには不足なので、更に銅メッシュをハンダでくっつけて熱伝導の面積を稼ぎます。
メッシュはハンダ吸い取り線を軽くほぐしたもの。メッシュの隙間は後から銅針金で埋めてやります。
予備ハンダをした銅張板に、銅メッシュをペタペタとハンダ鏝でくっ付けてます。
取り付け終わったメッシュ部分にLED基板の-側をハンダ付けします。これが本体のアルミボディに接触されてマイナス側となります。
LEDの+側は、基板にドリルで穴を開けてリード線を取り付けて基板裏側に通してやります。
電池ボックスプラス側へと接触する電極バネは、もともとのランチャーライトの基板に付いてた奴を取り外して流用です。
LEDの+側のリード線にバネを接続して銅張板の裏面にエポキシ樹脂系接着剤で取り付け。
基板をアルミボディに組み込み。 メッシュの隙間に銅針金を埋め込んで隙間をなくしてやります。
すると良い感じで固定できました。あと緩んでこないよう、更に基板と本体の間にエポキシ系接着剤を充填して固めてやります。
隙間無く上手いこと仕上がりました。アルミボディの方に熱伝導してくれそうな感じ^^
とりあえず300mAを流して試し点灯。暫くして本体アルミ部分がジワ~っと暖かくなってきました。放熱は成功してるようです。
この時点ではレンズを取り付けてないので光が広く拡散していますが、それでもパワーLEDはかなり明るいですね。
一応、LED基板に温度センサーを入れて、LEDの温度上昇の経過も確認。
点灯して10分後→48℃、20分後→49℃、30分後→49℃、40分後→50℃でした。 NS3W183Tの使用温度は100℃以下ですから、
上限まではまだ余裕だし、過熱も抑えられてるので大丈夫そうです。
続いて、LEDへの電流制限の回路のための基板。本体側にはスペースが無いので電池ボックスに付けます。
銅張積層板では厚みが有りすぎて邪魔なので0.3mm厚のSMD基板を使用してます。基板は秋月電子で売られていたもの。
裏面がベタアースで銅張面になっているので、ここを削って回路にします。基板の削り出しはLED基板と同様の方法。
リューターで銅張面を削って簡単に回路を形成しています。
今回はちょっと趣向を凝らして、電流モードを3種類選択、1.5V・1.2Vの電池モード選択を出来るように考えました。
電流モードは270mAの明るさ優先、165mAのノーマル、32mAの電池持ち優先の3つです。詳細な回路図は後述。
モード選択にはジャンパーピンを使用して切替スイッチ代わりにしています。使った抗器はスペースが狭いので全て小型タイプ。
基板は電池ボックスのプラス側とマイナス側のそれぞれに接着してあります。
基板外周の縁がアルミボディの内面に接触するとショートする可能性があるのでエポキシ系接着剤を塗って絶縁しています。
●回路図 抵抗器を使って電流を制限しています。 |
集光レンズが無い場合と、付けた場合との差はこんな感じです。左:レンズ無し、右レンズ有り。 レンズは25度タイプです。
レンズの効果は絶大で、付けた方が明るさが圧倒的に増します。
私はマイルドな25度タイプのレンズを使いましたが、10度や15度のレンズならピンスポットの強烈な光線にもできますね。
レンズの上から元々のランチャーライトのカバーをハメ込んでやると上手いこと隙間なく固定が出来たので、集光レンズは接着はせず、
中に入れ込んだだけになっています。
カバーはハメ込むだけでは少々の衝撃で簡単に取れてくるので、薄くエポキシ系接着剤を塗って接着しています。
●完成
完成した構成パーツはこんな感じです。 レンズを仕込んだので見た目はなかなか良い感じになったんじゃないでしょうか。
点灯させた状態。
壁当てした時の配光の状況はちょっと歪な形でムラもありますが、使ったLEDに合う専用レンズじゃないので仕方ないですね。
ちょっと黄色っぽい光が目立つのが気掛かりですが、LEDの性質なんでしょうかね。
●照度計で明るさを測定 (距離1mから照射した場合の最大照度)
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●電池の持続時間
アルカリ乾電池の場合、明るさ優先の270mAで約2時間、165mAで約4時間、省エネモードの32mAで約30時間強。
マンガン乾電池の場合、270mAで30分弱、165mAで約1.5時間弱、32mAで約10時間強。
ニッケル水素(750mAh)の場合、220mAで約3時間、110mAで約6.5時間、18mAで約40時間。
うーん・・・マンガン電池はあまり使いたくない感じですね。エネループなどニッケル水素電池を使うのが一番経済的かな。
※持続時間はパナソニックのホームページにて公開の、 パナソニック 乾電池の概要を参考に適当に出したおおよその目安です。
●壁に光を当てて比較
まずはノーマル状態の3LEDランチャーライトと比べてみました。(青白い光の方がノーマル3LEDランチャーライトです)
使用電池はアルカリ乾電池です。左から出力32mA、出力165mA、出力270mA、の順となっています。
日亜のパワーLEDだと32mAの省電流で3LEDランチャーライトと大体同等の明るさです。
続いて、単一乾電池4本使用(4.8Vビリケン球)懐中電灯と比べてみました。
同じくアルカリ乾電池使用です。左から出力32mA、出力165mA、出力270mA、の順となっています。
出力32mAだとビリケン球懐中電灯の圧勝ですが、165mAだと同等くらいでしょうか。照射範囲は日亜LEDの方が広いです。
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