ステップアップDC/DCコンバータICのHT7733Aを試してみました。

 

HT7733A 昇圧回路

HT7733A 昇圧回路製作

電池1本からLEDを点灯する昇圧回路が手軽に作れるなと思って試してみました。秋月電子にて4個パック200円で購入。

HT7733A (出力:3.3V 200mA、低スタートアップ電圧:0.7V、効率:85%(typ) 高精度出力:±2.5%)

同じシリーズでHT7750Aというのも有りますが、こちらは5Vまで昇圧です。しかしLEDでは5Vは無駄に高く昇圧していると思い、
3.3Vに昇圧するほうがLEDの順電圧に近いので能率が良く省エネになると思いました。
こいつを実際にLEDライトに使ってみた記事はコチラ → 100円のラバーライト(電球)を昇圧回路付のLEDライトに改造

昇圧してLEDに60mAを流した時で、1.5Vで電流184mA、3Vで79mAとなり効率は70~85%が出ており、なかなか使えます。

 

 

HT7733A回路図

 

つかった部品

・HT7733A

・コイル(インダクタ)47~100μH

・電解コンデンサ 47μF 35V

・タンタルコンデンサ(チップ)22μF 10V

・セラミックコンデンサ 0.1μF

・ショットキーバリアダイオード 1S10

HT7733Aに付属していた参考資料に載っている回路図では、入力側・出力側とも電解コンデンサはタンタルコンデンサを指定してます。
これは高周波特性が良いコンデンサのほうが能率がよくなる為らしいです。アルミ電解コンデンサ(低ESR推奨)でもOKでした。

あと、出力側に参考資料の回路図にはない0.1μFのセラミックコンデンサを勝手に入れてますが、これはノイズ取りで発振誤動作の防止
です。これは気の迷いさんのサイト・HT7750で遊ぶの記事の内容を参考に採用しました。

ダイオードは参考資料ではショットキーバリアダイオードの1N5817ですが、私は秋月電子で売ってた1S10を使用しています。

コイル(インダクタ)は47~100μH。インダクタは小型のものよりも抵抗値が低い電流がたくさん流せるタイプが良いらしいです。

 

 


 

●下記はコイルとコンデンサの組み合わせを3パターンほど試した結果。※あくまで参考までに掲載しました。測定方法も超適当です。

テスト回路ですが、コンパクトに作った方が動作が良いそうなので、なるべく詰めて作っています。 測定時の電源は安定化電源を使用。
結果的に一番良かったのはインダクタ100μH(0.79A)にタンタルコンデンサの組み合わせでした。

テスト①  

・コイル

マイクロインダクタ 47μH (@2.52MHz)

許容電流最大205mA、直流抵抗値2.6Ω

 

・電解コンデンサ

入力側:アルミ電解コンデンサ35V 47μF

出力側:アルミ電解コンデンサ50V 22μF

 

今回の組み合わせの中では最低の効率です。

なぜか出力電圧が高く出てます。入力が1.5Vでは出力が出ませんでした。
3Vの時には最大200mAの出力が発揮されました。

 

入力側 出力側 効率(%)   入力側 出力側 効率(%)

電圧(V)

電流(mA) 電圧(V) 電流(mA) 電圧(V) 電流(mA) 電圧(V) 電流(mA)
3.0

78

3.58 50 76.2 1.5 139 3.14 50 75.3
106 3.6 70 79.2 212 3.0 70 66.0
158 3.63 100 76.5 - - × -
244 3.55 150 72.7 - - × -
332 3.48 200 69.8 - - × -

 

 

テスト②・・・・・①のコイルをラジアルタイプインダクタの100μHへ変更

・コイル

ラジアルタイプインダクタ 100μH (@0.796MHz)

定格電流790mA、直流抵抗値0.32Ω

 

・電解コンデンサ

入力側:アルミ電解コンデンサ35V 47μF

出力側:アルミ電解コンデンサ50V 22μF

 

入力が3Vの時ならまぁまぁの効率でしたが、1.5Vでは成績は振るわず。

入力が1.5Vでは出力が出ませんでした。
3Vの時には150mAの出力が発揮されました。

 

入力側 出力側 効率(%)   入力側 出力側 効率(%)

電圧(V)

電流(mA) 電圧(V) 電流(mA) 電圧(V) 電流(mA) 電圧(V) 電流(mA)
3.0

71

3.54 50 83.1 1.5 138 3.11 50 75.1
98 3.5 70 83.3 208 3.0 70 67.3
152 3.48 100 76.3 - - × -
227 3.43 150 75.5 - - × -
- - × - - - × -

  

 


 

 

テスト③・・・・テスト②の出力側の電解コンデンサをチップタンタルコンデンサに変更

・コイル

ラジアルタイプインダクタ 100μH (@0.796MHz)

定格電流790mA、直流抵抗値0.32Ω

 

・電解コンデンサ

入力側:アルミ電解コンデンサ35V 47μF

出力側:タンタルコンデンサ(チップ) 10V 22μF

 

今回で最高の効率です。3V・1.5Vともに良い結果が出ているバランス形。
3Vで150mAを発揮では78%の高効率でした。入力もタンタルにしたらもっと
良くなるのかな? しかし47μのタンタルが手に入りませんでした。

 

入力側 出力側 効率(%)   入力側 出力側 効率(%)

電圧(V)

電流(mA) 電圧(V) 電流(mA) 電圧(V) 電流(mA) 電圧(V) 電流(mA)
3.0

67

3.46 50

86.0

1.5 136 3.28 50 80.3
96 3.43 70 83.3 205 3.22 70 73.3
142 3.43 100 80.5 342 3.17 100 61.7
218 3.41 150 78.2 417 3.13 150 55.0
- - × - - - × -

 

 

<<BACK