CRDを使ってLEDの電流制限

CRD

LED順電流(If)、電源電圧が異なっても、一定で電流制限する部品です。
抵抗と違って面倒な計算が要らないので手っ取り早くて手軽で便利!
容量は、1mA~18mAタイプまで種類があります。
値段は一個あたり30円~50円ほどと、少々高価です。

※便利な部品ですが、使いにくい面もあります。
極性があって、間違って逆向きに繋ぐと電流制限しないのでLEDを損傷する。
肩特性があり約3~4Vの電圧が要る事、温度の影響を受ける事と自己発熱する
という性質があります。
使い方によっては本来の電流出力が得られないで少なくなることがあります。

●CRDのタイプとスペック

CRDタイプ 定格電力 最高使用電圧 ピンチオフ電流 肩特性Vk
E-103 (10mA) 300mW 30V 8~12mA

3.5V

E-153 (15mA) 300mW 25V

12~18mA

4.3V
E-183 (18mA) 300mW 25V 16~20mA 4.6V

スペック表を見るとピンチオフ電流(出力)の表示は幅を持たせています・・・この範囲で出力電流にバラつきがあります。

個体差によるバラつきは電流容量の大きなCRDほど顕著みたいです。

 

※最高使用電圧: 周囲温度25℃で直流通電で、連続してかけられる最高電圧。

※ピンチオフ電流: CRDへ10Vをかけた時得られる電流値。(周囲温度25℃でパルス測定時)

※肩特性(Vk): CRDへ電圧をかけたとき、ピンチオフ電流の80%にあたる出力電流が得られる電圧。(周囲温度25℃でパルス測定)

 

  CRD 肩特性(Vk)
E-103 E-103 (10mA) 3.5V

  ちょっと明るさが心もとない感じ、省電力で点灯する場合には、

  効率的には良いと思います。

E-153 E-153 (15mA) 4.3V

  省電力で明るさもそれなりに得られます。

  極端な使い方でなければ、このくらいが丁度良いと思います。

E-183 E-183 (18mA) 4.6V

  CRD1個単品でなら、これが一番明るく点灯できます。

  ただし、肩特性(Vk)が高いので電圧に注意が必要です。

E-103並列 E-103並列 (20mA) 3.5V

  E-103を2個使って倍の電流を得られるので一番明るい。

  肩特性(Vk)も低く、安定して電流が期待できるのでお勧め。

 

 

 

●LEDとCRDの繋ぎ方

LED並列回路 LED並列

並列で複数のLEDを点灯する場合は、各LEDごとにCRDを入れて電流制限してやります。
電源電圧は、この場合は最も順電圧が高い白LEDの3.4V+CRDへ3~4Vで7V以上の電源であればOK。

 

 

LED並列回路2 LED並列2

上の図のように、LEDを並列に繋いだものに対してCRDを入れるのは間違った繋ぎ方です。
LEDをまとめて繋ぐと電流の偏差が起きてしまうので、一番LEDの順電圧が低いLEDに電流が集中します。

 

 

LED直列回路 LED直列

直列つなぎで複数のLEDを点灯する場合はCRDは1つ入れるだけで全部のLEDへ均等に電流が流れます。
その代わりに、電源電圧は全部のLED順電圧の合計8.4V+CRDの電圧3~4Vで12V以上の高い電圧が必要です。

 

 

 

●CRDを使う時の注意点

・CRDは熱くなると出力電流が減ってしまう。
CRDは熱の影響を受けて出力電流が変動する部品です。
スペック表は周囲25℃の時の電流値になってます。暖めると電流が減り、冷やすと増えます。
CRDの自己発熱に注意しないと、電流が降下します。

CRD

バッテリー

接続LED数

室温23℃

での電流

アルミ放熱板付

(板面積2cm²)

アイスノンで冷却

(氷点下での電流)

E-103

Li-Po 3セル

12.3V

(フル充電)

1個

(Vf: 3.5V)

最初 9.7mA 9.7mA

10.9mA

10秒後 9.1mA 9.5mA 10.8mA

E-153

同上 同上 最初 15.3mA 15.3mA 17.3mA
10秒後 13.4mA 14.5mA 17.0mA

通電始めの電流が、10秒後には自己発熱で加熱して電流が低下してるのがわかります。
自己発熱はCRDの出力電流が多く、かかる電圧が高いほど激しくなるので、電流安定は肩特性(Vk)が高いCRDほど不利です。
ある程度、安定して電流量を確保するには、CRDが放熱できるように熱が篭らないようにしたほうが良いです。

 

・CRDは肩特性(Vk)の電圧が得られず電圧が低くなるほど出力電流が減る

スペックの8割にあたる電流を得るには、肩特性(Vk)の電圧が必要で、CRDへかかる電圧が低くなるほど出力電流は減少して行きます。
多少の電圧不足でも電流が流れるのでLEDは点灯できますが、本来の出力電流よりもかなり低い電流しか流れなくなります。

 

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