●CRDのタイプとスペック
CRDタイプ | 定格電力 | 最高使用電圧 | ピンチオフ電流 | 肩特性Vk |
E-103 (10mA) | 300mW | 30V | 8~12mA | 3.5V |
E-153 (15mA) | 300mW | 25V | 12~18mA |
4.3V |
E-183 (18mA) | 300mW | 25V | 16~20mA | 4.6V |
スペック表を見るとピンチオフ電流(出力)の表示は幅を持たせています・・・この範囲で出力電流にバラつきがあります。
個体差によるバラつきは電流容量の大きなCRDほど顕著みたいです。
※最高使用電圧: 周囲温度25℃で直流通電で、連続してかけられる最高電圧。
※ピンチオフ電流: CRDへ10Vをかけた時得られる電流値。(周囲温度25℃でパルス測定時)
※肩特性(Vk): CRDへ電圧をかけたとき、ピンチオフ電流の80%にあたる出力電流が得られる電圧。(周囲温度25℃でパルス測定)
CRD | 肩特性(Vk) | ||
E-103 (10mA) | 3.5V | ちょっと明るさが心もとない感じ、省電力で点灯する場合には、 効率的には良いと思います。 |
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E-153 (15mA) | 4.3V | 省電力で明るさもそれなりに得られます。 極端な使い方でなければ、このくらいが丁度良いと思います。 |
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E-183 (18mA) | 4.6V | CRD1個単品でなら、これが一番明るく点灯できます。 ただし、肩特性(Vk)が高いので電圧に注意が必要です。 |
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E-103並列 (20mA) | 3.5V | E-103を2個使って倍の電流を得られるので一番明るい。 肩特性(Vk)も低く、安定して電流が期待できるのでお勧め。 |
●LEDとCRDの繋ぎ方
並列で複数のLEDを点灯する場合は、各LEDごとにCRDを入れて電流制限してやります。
電源電圧は、この場合は最も順電圧が高い白LEDの3.4V+CRDへ3~4Vで7V以上の電源であればOK。
上の図のように、LEDを並列に繋いだものに対してCRDを入れるのは間違った繋ぎ方です。
LEDをまとめて繋ぐと電流の偏差が起きてしまうので、一番LEDの順電圧が低いLEDに電流が集中します。
直列つなぎで複数のLEDを点灯する場合はCRDは1つ入れるだけで全部のLEDへ均等に電流が流れます。
その代わりに、電源電圧は全部のLED順電圧の合計8.4V+CRDの電圧3~4Vで12V以上の高い電圧が必要です。
●CRDを使う時の注意点
・CRDは熱くなると出力電流が減ってしまう。
CRDは熱の影響を受けて出力電流が変動する部品です。
スペック表は周囲25℃の時の電流値になってます。暖めると電流が減り、冷やすと増えます。
CRDの自己発熱に注意しないと、電流が降下します。
CRD | バッテリー |
接続LED数 | 室温23℃ での電流 |
アルミ放熱板付 (板面積2cm²) |
アイスノンで冷却 (氷点下での電流) |
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E-103 |
Li-Po 3セル 12.3V (フル充電) |
1個 (Vf: 3.5V) |
最初 | 9.7mA | 9.7mA | 10.9mA |
10秒後 | 9.1mA | 9.5mA | 10.8mA | |||
E-153 |
同上 | 同上 | 最初 | 15.3mA | 15.3mA | 17.3mA |
10秒後 | 13.4mA | 14.5mA | 17.0mA |
通電始めの電流が、10秒後には自己発熱で加熱して電流が低下してるのがわかります。
自己発熱はCRDの出力電流が多く、かかる電圧が高いほど激しくなるので、電流安定は肩特性(Vk)が高いCRDほど不利です。
ある程度、安定して電流量を確保するには、CRDが放熱できるように熱が篭らないようにしたほうが良いです。
・CRDは肩特性(Vk)の電圧が得られず電圧が低くなるほど出力電流が減る
スペックの8割にあたる電流を得るには、肩特性(Vk)の電圧が必要で、CRDへかかる電圧が低くなるほど出力電流は減少して行きます。
多少の電圧不足でも電流が流れるのでLEDは点灯できますが、本来の出力電流よりもかなり低い電流しか流れなくなります。